バイオインフォマティクス|DX用語集

バイオインフォマティクス(BI)とは?

バイオインフォマティクス(BI)の定義

バイオインフォマティクス(bioinformatics:BI)は、生物学(biology)と情報学(informatics)が融合した学問領域のことを指します。日本バイオインフォマティクス学会によると、BIは、「⽣命現象をコンピュータを使って研究する、最先端の学問分野です。⽇本語では、⽣物情報科学や情報⽣命科学などともよばれます。」と説明されています(引用:日本バイオインフォマティクス学会公式サイト「コンピュータをつかって生命情報を研究する学問分野BIってなに?」)

バイオインフォマティクス領域で進められている研究

バイオインフォマティクスの領域では、以下のような研究が進められています。

・膨⼤なゲノム(遺伝⼦・DNA)データを解析して病気のメカニズムを明らかにする

・タンパク質の形や動きを詳しく調べて治療薬を開発する

・コンピュータの中で⽣命のネットワークやシステムをシミュレーションする

・環境汚染物質を分解する⽣物や、有⽤な物質を作り出す⽣物を⾒つけだす

・地球上の⽣命のはるかな進化の歴史やロマンを解明する

・研究のために必要な新しいソフトウェア・情報技術を開発する

(引用:日本バイオインフォマティクス学会公式サイトコンピュータをつかって生命情報を研究する学問分野BIってなに?

バイオインフォマティクスの分野では、DNAやタンパク質などの生物学的データを情報科学や統計学の手法で解析し、生命現象を解明することを目的としています。生物学的データを解析することで、分子生物学や遺伝学の研究が進み、医療分野においても重要な役割を果たしています。

バイオインフォマティクス人材の必要性

経済産業省によると、バイオインフォマティクスは、バイオテクノロジーを軸としたさまざまな産業に関わる学際的な領域であることがわかります。産業界からの強い需要から、生物学と情報科学の知識をバランスよく身につけた技術者・研究者人材の確保が必要だという認識が広まっています(参考:経済産業省「バイオテクノロジーが拓く『ポスト第4次産業革命』」)。

医療分野での事例

病院や研究機関でもバイオインフォマティクスを活用した事例がみられます。ここではBIを応用して研究開発に取り組む特徴的な医療機関事例を紹介します。

ヒトゲノムデータ解析

ヒトDNA の全塩基配列を解読するプロジェクト「ヒトゲノム計画」が立ち上がった2000年代中盤以降、生物・医学研究が加速度的に進展し、膨大なデータを処理するバイオインフォマティクスに注目が集まりました。それにより、さまざまな医療機関や研究機関によるゲノムデータの解析が進められています。

新潟大学医歯学総合病院
がんの原因となる遺伝子変異でがんを分類し、体質や病状に合わせた個別化治療を行うゲノム医療を実施
慶應義塾大学病院
手術を行ったあらゆるがん患者に対して、がん遺伝子検査を実施。生まれてくるデータをがんゲノム医療に活用

大規模データ解析による創薬開発

個々の患者の遺伝子情報をもとにした治療薬の開発は、より効果的で副作用の少ない治療の実現に貢献します。さらに、これらの技術は新薬の開発プロセスを加速し、医療コストの削減にも寄与する可能性があります。患者のより良い健康と生活の質向上に貢献するべく、バイオインフォマティクスの領域において大学病院や製薬会社等が連携して創薬、治験が推進されています。

岡山大学病院
ゲノム外来で行う「がん遺伝子パネル検査」を実施し、遺伝子塩基配列に関する膨大な暗号の羅列から異常を読み取り、遺伝子変異の作用を阻む薬の開発に取り組む
富山大学先端抗体医薬開発センター
分子シミュレーションや数理モデルを駆使し、抗体医薬開発を加速する技術開発を進め、迅速かつ革新的な計算創薬手法の実現を目指す

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画像引用元:RESERVA公式.mdサイト

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まとめ

本記事では、「バイオインフォマティクス」の用語解説と、その領域における医療分野の事例を紹介しました。

RESERVA.mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。

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