内科で活躍するDX|デジタル時代における内科医療の新常識

デジタル時代の到来とともに、医療現場は急速に変化しています。特に内科領域においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)が診療の質や効率を大きく向上させる鍵です。DXについての理解を深めることで、内科医療における有用な活用につなげられます。

本記事では、内科における現状の課題と、その課題の解決に効果的な医療DXについて、成功事例を基に詳しく解説します。

内科における現状の課題

人手不足

内科を含む医療現場では、人手不足が深刻です。

厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況(令和6年3月分及び令和5年度分)について」によると、2024年度における医師の有効求人倍率が2.41倍を記録しました。有効求人倍率は、求職者1人につき何件の求人があるかを表す数値のことです。医師の有効求人倍率は1倍を大きく上回っており求職者よりも求人数が多いため、医療現場における人手不足が深刻なことが分かります。

慢性疾患の増加

内科における慢性疾患への対応は、現代医療の重要な課題です。高齢化に伴い、糖尿病や高血圧、心疾患などの慢性疾患を抱える患者の増加が危惧されています。

慢性疾患の患者の管理では、長期的な生活習慣の改善や定期的なモニタリングが求められます。薬物療法の調整も重要で、高齢者は副作用のリスクが高いため、慎重な対応が必要です。さらに、そうした診療の増加による医療リソースの不足や医療経済の圧力も課題であり、効率的なケアと予防的な介入が求められます。内科医は、患者の健康維持と生活の質向上を目指して、多角的なアプローチを採る必要があります。

労働時間の多さ

内科を含む医療現場における医師の長時間労働時間は、解決すべき大きな課題です。

厚生労働省が公表した「医師の勤務実態について」によると、医師の労働時間は全体的に年々減少していますが、約2割の医師が2020年においても年960時間超の時間外労働を行っています。長時間勤務は、医師のバーンアウト(燃え尽き症候群)や集中力の低下を招き、診療の質や患者の安全に悪影響を及ぼす可能性があります。労働時間の短縮には、業務の効率化やチーム医療の推進、勤務体制の見直し、メンタルヘルスサポートなどが必要です。

画像引用元:厚生労働省「医師の勤務実態について

課題解決に効果的な医療DXとは

医療DXの定義

厚生労働省によると、医療DXとは「保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤(クラウドなど)を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えること」と定義されています。

医療DXは、サービスの効率化や質の向上により、以下の5点の実現を目指しています。

  1. 国民の更なる健康増進
  2. 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
  3. 医療機関等の業務効率化
  4. システム人材等の有効活用
  5. 医療情報の二次利用の環境整備

これらの実現に向け、日本では「医療DXの推進に関する工程表」にもとづき、①全国医療情報プラットフォームの創設、②電子カルテ情報の標準化等、③診療報酬改定DXを3本の柱とし、取組を進めています。

参考:厚生労働省「医療DXについて」

医療DXの重要性

医療DXが重要とされる理由は、医療業界が直面している多くの課題に対処するためです。現在、高齢化社会の進展により医療ニーズが増加しており、効率的な医療サービスの提供が求められています。また、医療情報の増大と複雑化により、デジタル技術による効率的な管理が必要です。さらに、COVID-19パンデミックは遠隔医療やデジタル健康管理の重要性を浮き彫りにし、医療DXの必要性を加速させました。これにより、医療業界全体がデジタル化の波に乗ることが急務となっています。

医療業界では、診療の質のばらつき、情報共有の煩雑さや手作業による管理の非効率性が問題となっています。医療記録の管理や患者データの共有が不十分な場合、診断ミスや治療の遅延が発生することがあります。さらに、患者の待ち時間や医療機関の運営コストの課題も見られ、これらの問題を解決するには医療DXの導入が必要です。デジタル技術の導入によって、これらの課題に対処し、より公平で質の高い医療サービスを提供することが可能になります。

内科で医療DXを推進するメリット

医療DXは、内科における課題の解決に効果的な手段です。ここでは、内科で医療DXを推進するメリットについて解説します。

診療の精度の向上

内科で医療DXを推進することで、診療の効率化と精度向上が実現します。

電子カルテを導入することで、患者の情報が一元管理され、迅速かつ正確な情報アクセスが可能になります。これにより、診療のスピードが向上し、情報を取り扱う際のミスの低減につなげることが可能です。また、AIを活用した診断支援ツールは、症状や検査結果を解析し、疾患のリスクを予測することで診断精度を高められます。

患者満足度の向上

内科における医療DXの推進は、患者満足度の向上につなげられます。

例えば予約システムを導入することで、患者が診療を受診する際の利便性の向上が図れます。また、オンライン診療を導入することで、医師とのリモートカウンセリングやフォローアップが可能となり、患者の質問や不安に即座に対応できるため、治療に対する信頼感が高まります。このように、医療DXは患者の満足度を高める環境づくりに効果的です。

エビデンスに基づく医療の強化

医療DXの推進により、内科領域ではエビデンスに基づく医療(EBM)が一層強化されます。

デジタルツールやビッグデータ解析により、大量の患者データが迅速に収集・分析され、新たな治療法や予防策のエビデンスが提供されます。最新の科学的根拠に基づいた治療法が臨床に迅速に反映されることで、治療の精度と効果が向上します。また、デジタルプラットフォームを通じて医療従事者間での情報共有が促進することで、ガイドラインの更新をスムーズに行うことも可能です。

このように医療DXの推進は、医療の質が統一して、患者への一貫したケアを実現します。

内科における医療DXの推進事例

医療法人団 萃容会 聖心醫院

参考:医療法人団 萃容会 聖心醫院 公式サイト
参考:聖心醫院 予約ページ

医療法人団 萃容会 聖心醫院は、診療予約を自動で受け付ける予約システムRESERVAを導入しています。予約ページでは、予約可能日時を一目で確認することができ、患者の予約利便性が向上しています。また、予約受付締切やキャンセル締切の日時が設定されており、予約システムがそれらの業務を自動で管理しているため、医院の予約管理業務も削減されています。

医療法人KMC かいばな内科クリニック

参考:医療法人KMC かいばな内科クリニック 公式サイト

医療法人KMC かいばな内科クリニックは、電子処方せんに対応した医療施設です。当院が導入している電子処方せんは、投薬歴や重複投与、併用禁忌処方等の情報がクリニックと薬局で共有されています。そのため、複数の医療機関や薬局をまたがる過去の診療情報にもとづいた治療の提供が可能となっています。

西澤内科クリニック

参考:西澤内科クリニック 公式サイト

西澤内科クリニックは、開業当初より全ての情報を可能な限りデジタル情報としてコンピュータシステムに保存しています。また、検査機器から得られたデータや、他医院から持ち込まれた情報もデジタル化し、個人情報として一元管理、定められた方法で保管しています。その上で、電子カルテ用と医療画像用の両方のサーバーシステムに予備の機器を併設し、メインの機器が故障してもデータが損失しないようにリスク管理を徹底しています。

医療法人社団 杏音会 土屋クリニック

参考:医療法人社団 杏音会 土屋クリニック 公式サイト

土屋クリニックは、胸部レントゲン画像のAI読影支援システムを2024年9月13日より導入します。この機器は、撮影した胸部単純X線画像をAIが自動解析を行い、結節や腫瘤影、浸潤影、気胸が疑われる領域を検出しマーキングすることが可能です。マーキングを含めて医師がレントゲンを読影することで、病変の見落し防止につなげられます。

内科における医療DXにはRESERVA

画像引用元:RESERVA.md公式サイト

医療機関がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、来院や面会の予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらにスタッフやリソースの調整に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、来院者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。

現在多数の予約システムがありますが、医療機関が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、28万社が導入、700以上の医療機関も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる病院、クリニックにもおすすめです。

まとめ

本記事では、内科における現状の課題と、その課題の解決に効果的な医療DXについて、成功事例を基に詳しく解説しました。医療DXは、あらゆる場面において、効率化や質の向上を促進する有用な取り組みです。

RESERVA.mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。

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