RWD(リアルワールドデータ)|DX用語集

RWD(リアルワールドデータ)とは

RWD(リアルワールドデータ)の定義

RWD(リアルワールドデータ)とは、病院やクリニックなどの医療現場で日常的に蓄積される医療データのことです。RWDにはレセプトデータ、DPC(Diagnosis Procedure Combination)データ、電子カルテのデータ、健診データ、患者レジストリデータ、ウェラブルデバイスから得られるデータなどがあると説明されています。(引用:中外製薬株式会社「リアルワールドデータの利活用」)

画像引用元:中外製薬「リアルワールドデータの利活用

RWDに該当する各データの詳細は以下のようになります。

・レセプトデータ
別名、診療報酬明細書。医師が患者に対してどのような診断(傷病)、検査がなされ、治療が行われ、薬剤がどのくらい処方されたかが記載されています。(引用:厚生労働省「第1章レセプトとは」)

・DPC(Diagnosis Procedure Combination)データ
平成15年4月に特定機能病院等に導入された、急性期入院医療の診断群分類に基づく1日当りの包括評価制度です。(引用:厚生労働省「DPCとは何か?」)

・電子カルテ
電子カルテとは、診療録や患者の情報をパソコンなどの端末で記録・管理できるシステムです。血圧・心拍数などの検査値や画像診断結果、患者の症状、薬の効果・副作用に関するデータを一括で管理します。(参考:クラウド診療支援システムCLINICS「電子カルテとは?メリットや注意点、選び方などをわかりやすく解説」)

・健診データ
健康診断の記録であり、血圧や脂質、肝機能などの診断データを指します。(参考:全国健康保険協会「どんな検査があるの?|健康・保健指導」)

・患者レジストリ
レジストリ(registry)は、記録、登録、登記、台帳という意味です。 患者の疾患、治療内容、治療経過などを管理するデータベースになっています。(参考:がん情報サイト「オンコロ」:「患者レジストリ」)

・ウェラブルデバイスから得られるデータ
ウェアラブルデバイスとは、手首や頭など、身体に直接装着して使用する小型のコンピューター端末のことです。デバイスの機能は製品によって異なりますが、生体情報を収集することが可能です。(参考:NTTPCコミュニケーションズ「ウェアラブルデバイスとは?種類や企業の活用事例を紹介」)

RWD(リアルワールドデータ)を導入するメリット

RWDを医療現場に導入するメリットとしては次のようなものがあります。

医師による診断・治療の効率化と適正化
実臨床で得られるデータは異なる形式が混在しているため、医療機関同士での連携が難しい状況です。医療データは、各医療機関や特定の組織の中に閉じて保管されており、データアクセスに制限があることが問題となっています。そこでRWDを導入し、各所に離散されたデータを統合することで、患者一人ひとりにより適した医療を届けることができます。

・製薬会社における新薬開発の効率化
RWDを活用することで、新薬開発に必要とされるエビデンスの収集を効率的に行えます。例えば、患者レジストリを用いれば、既存の薬の使用状況や効果、副作用を確認することができます。

・希少疾患・難病対策が可能
希少疾患や難病は、患者数が少ないため、詳細が明らかになっていません。少ない症例をRWDで共有することで、今後発症した患者に十分な治療を提供できるようになります。

これらのメリットにより、多くの医療機関ではRWDの導入が進められています。

医療分野での事例

高血圧症治療補助プログラム

画像引用元:GooglePlay「CureApp HT

株式会社CureAppが運営する治療アプリ「CureApp HT(キュアアップ エイチティー)」では、医師の診療と連携して取り組む「高血圧症治療補助プログラム」を提供しています。本アプリは患者のデータをRWDとして蓄積し、それをもとに、利用者が自宅でかんたんに取り組める治療法を紹介しています。医師が高血圧治療補助の治療計画を立てるほかに、自分の日常に取り入れやすい治療方法をアプリ内で探すことができるので、継続的な治療のサポートに役立っています。

参考ページ:株式会社CureApp「CureApp HT高血圧治療補助アプリ 血圧チャレンジプログラム
参考ページ:三菱総合研究所「医療機器開発におけるリアルワールドデータ(RWD)の活用事例に関する調査

医用画像解析ソフトウェア EIRL X-ray Lung nodule

画像引用元:エルピクセル株式会社「EIRL Chest Nodule – EIRL(エイル) | AI画像診断支援技術

エルピクセル株式会社では、X線透視診断装置または X線診断装置で得られた情報を更に処理して診療を行うためにソフトウェアを開発しました。これは医師による読影をサポートするもので、販売後に取得された画像データをRWDとして活用しています。読影する医師は過去に実施した検査画像と比較し、結節影を一目見て確認することができます。ほかにも、匿名加工した患者画像データとDICOM基本情報を利用し、可能な範囲で疾患のレポート情報を収集しています。

参考ページ:エルピクセル株式会社「EIRL Chest Nodule – EIRL(エイル) | AI画像診断支援技術
参考ページ:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医用画像解析ソフトウェア EIRL X-ray Lung nodule
参考ページ:三菱総合研究所「医療機器開発におけるリアルワールドデータ(RWD)の活用事例に関する調査

医療DXにはRESERVA

画像引用元:RESERVA md公式サイト

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まとめ

本記事では、「RWD(リアルワールドデータ)」の用語解説と、その領域における医療分野の事例を紹介しました。

RESERVA mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。

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