人間ドックには、所要時間の長さや予約手続きの煩雑さ、高額な受診費用といった課題が存在します。これらの課題解決の手段として、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。人間ドックにDXを導入・活用することで、受診の質や効率を向上させ、より受診しやすい環境を実現することが可能です。
本記事では、人間ドックにおける現状の課題と、DX推進によるメリットについて詳しく解説します。さらに、手軽にDXを進められる具体例として、予約システムRESERVAの導入メリットやおすすめ機能についてもご紹介します。
人間ドックにおける現状の課題
所要時間の長さ
人間ドックの所要時間の長さは、日帰りと宿泊のコースによって大きく異なります。日帰り人間ドックは忙しい現代人に合わせて短時間で完了する仕組みが整えられていますが、それでも一定の時間を要し、受診者にとっては負担となっています。宿泊人間ドックでは1泊2日以上の日程を要し、詳細な健康診断が可能ですが、より長い時間拘束されてしまいます。
日帰り人間ドックには半日コースと1日コースがあり、半日コースは2〜5時間程度で基本的な検査(血液検査、胃部レントゲン、腹部超音波検査など)が完了します。一方、1日コースではオプション検査が加わるため、7〜8時間かかることが一般的です。検査が効率化された健診機関ではスムーズに進むこともありますが、検査ごとの待機時間や結果待ちが生じ、長時間拘束されてしまいます。また、検査結果が即日通知されない場合、後日の受診が必要となり、受診者にとっては手間が倍増します。
宿泊人間ドックは1泊2日以上のスケジュールで行われ、全身を詳細に検査することができるメリットがありますが、その一方で丸2日間を確保する必要があり、忙しい現代人にとっては大きな負担となります。特に平日を挟む場合、仕事や家庭の都合がつけにくく、受診を断念するケースも少なくありません。
予約手続きの煩雑さ
人間ドックや健康診断の予約手続きは、医療機関によっては依然として煩雑な状況が続いています。特に、電話やFAXに頼るアナログな予約方法が主流の場合、受診希望者は多くの手間やストレスを抱えることになります。
例えば、受信希望者が予約の申し込み時に電話がつながらないケースが頻発しています。予約が集中する時間帯や繁忙期には電話がつながりにくく、何度もかけ直さなければならないことも少なくありません。受診希望者にとっては時間的な負担が増え、予約を断念する原因にもなります。
医療機関側も、予約管理を手書きや表計算ソフトで行っている場合、ダブルブッキングや情報の伝達ミスが発生しやすい状況です。特に、複数のオプション検査を希望する場合や、予約変更・キャンセルの対応が必要な際には、管理が煩雑化し、業務効率の低下を招くことがあります。
高額な受診費用
受診費用の高さも大きな課題となっています。基本的な検査項目を含む日帰りコースでも数万円、オプション検査を追加すると10万円以上になることも珍しくありません。さらに、宿泊型の人間ドックやPET検査、MRI検査、内視鏡検査などの高度な精密検査を組み合わせた場合、費用は数十万円に及ぶこともあります。
受診費用が高額になる要因の1つとして、国民皆保険制度の対象外であることが挙げられます。一般的な健康診断は企業や健康保険組合が費用を一部負担するケースがありますが、人間ドックは任意の検査であり、全額自己負担が原則です。そのため、経済的な余裕がない場合、受診をためらう人も多いのが現状です。
人間ドックでDXを推進する利点
スタッフ業務の負担低減
DXの推進で、人間ドックにおけるスタッフの業務負担が大幅に軽減されます。例えば、受診者は事前にオンライン上で問診票を記入できるようになり、当日受付での手間が大幅に削減されます。スタッフは記入内容をシステム上で確認するだけで済むため、確認作業が効率化され、受診者対応がスムーズになります。
また、予約業務や問い合わせ対応の削減も、業務負担軽減の大きな要素です。受診者自身が空き状況を確認し、いつでも予約・変更・キャンセルを行えるため、スタッフによる電話対応が不要になります。問い合わせの減少により、スタッフは他の業務に集中できるようになります。その結果、スタッフにとって働きやすい職場環境の実現につながり、業務の質や受診者へのサービス向上にも大きく寄与します。
受診データの分析と活用
受診データのデジタル管理により、検査結果や健康状態の推移を時系列で可視化することができます。例えば、過去の検査結果と最新のデータを比較することで、健康状態の変化を早期に把握し、生活習慣の改善指導や疾病予防の対策をより具体的に提案できるようになります。特に、糖尿病や高血圧、がんリスクなどの慢性疾患や生活習慣病に関しては、データの継続的な分析が予防医療に大きく貢献します。
また、DXを活用してAIやビッグデータ解析を導入すれば、膨大な受診データから統計的な傾向やリスク予測を行うことも可能です。例えば、特定の年齢層や性別における疾患リスクの傾向を把握し、そのデータをもとに個別の健康アドバイスを提供することができます。医療機関側も、データ分析結果を活用することで、検査項目の最適化や効率的な人間ドックのプランの提案が可能となり、受診者満足度の向上につながります。
コスト削減
DXの推進により、人間ドックの実施前と実施後にかかるコストを大幅に削減することが可能です。
まず、実施前のコスト削減は、予約システムの導入によって実現できます。予約システムを導入することで、受診者自身がオンライン上で予約や日程変更、キャンセルの管理を行えるため、電話受付やFAX対応の業務が大幅に削減されます。これにより、事務スタッフの業務負担が軽減され、人件費の最適化が図れます。また、予約管理が自動化されることで、ダブルブッキングや予約漏れといった人的ミスが減少し、余計な追加対応やコストの発生を防ぐことができます。
次に、実施後のコスト削減は、検査結果のデジタル化によって実現します。従来のように紙媒体で報告書を作成し、郵送する場合、印刷コストや郵送費用が発生していました。しかし、クラウドシステムを活用することで、受診者はオンライン上で検査結果を確認できるため、印刷や郵送にかかる手間や費用が不要になります。これにより、スタッフの業務時間も短縮され、さらなるコスト効率化が可能です。
人間ドックに予約システムを導入するメリット
予約業務の効率化
人間ドックに予約システムを導入すると、受診者データの一元管理が可能になり、業務効率が大幅に向上します。システム上で受診者の情報や予約履歴、過去の受診状況を一括管理できるため、手作業や書類管理が不要となり、スタッフは必要な情報を迅速に確認できます。また、データ入力の重複やミスが防止され、正確な情報提供が実現します。診療記録や検査プランも自動連携されるため、記録作成の手間が軽減され、業務がさらに効率化されます。結果として、スタッフの負担が減り、受診者へのサービス向上に集中できる環境が整います。
無断キャンセルの防止
予約システムの導入は、無断キャンセルの防止にも大きな効果があります。オンライン予約システムを活用すれば、自動リマインド機能を通じて受診者にメールやSMSで予約日を通知することができます。これにより、受診者は予約を忘れにくくなり、無断キャンセルの発生を大幅に抑えることが可能です。さらに、キャンセルや日程変更も受診者自身がかんたんに行えるため、医療機関側は空き時間を有効活用し、新たな予約を迅速に受け入れることができます。
受診者の利便性向上
これまで電話の予約で必要だった保険に関する各種確認を、オンライン上で済ませることで、院内での対応の手間を省き、利便性を大きく向上させます。また、医療情報が各機関で共有されることで、既往の情報を受診者が口頭で説明したり、必要書類を提出したりする必要がなくなります。
人間ドックの医療DX化に役立つ、RESERVAの機能
人間ドックにおいて医療DXを進める際に、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、人間ドックの予約管理にとどまらず、決済から顧客管理までの一連の流れを自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、受診者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、医療機関が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、30万社が導入、700以上の医療機関も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる病院、クリニックにもおすすめです。
ここからは、RESERVAの機能の中でも人間ドックにおすすめの機能を4つ紹介します。
オンラインカード決済
RESERVAには、「レゼルバペイメント」という独自の事前クレジットカード決済方法を搭載しています。予約者は、予約時に支払いを完了できるため、来院時に会計をする必要がありません。病院側も来院後の会計が不要になるため、受付業務の負担が軽減されます。売上情報は、予約管理画面に自動的に取り込まれるため、日々の売上分析・検証を効率的に行うことが可能です。
予約時アンケート機能
患者が予約の際にアンケートに回答することで、人間ドックに関する個別の希望や注意点を事前に理解し、きめ細かなサービス提供が可能となります。アンケートはラジオボタン、チェックボックス、数値入力、自由記述など、多様な形式から選択でき、施設のニーズに合わせてカスタマイズ可能です。
また、この機能を活用することで、従来クリニックで当日記入していた問診票や健康状態の調査を予約時に行うことができ、患者は当日長時間待たずに人間ドックを開始できます。回答は必須項目に設定することもでき、必要な情報を確実に収集できます。さらに、アンケートの回答はデジタルデータとして管理されるため、スタッフ間での情報共有がかんたんに行えます。紙ベースの管理が不要になり、業務の効率化とサービスの質が向上します。
くわしくはこちら:予約時アンケート設定で業務効率化を実現!【RESERVA機能紹介】
リマインドメール機能
リマインドメール機能によって、医療機関側は予約者に予約状況の再確認通知を配信できます。予約者は、予約前日に配信されるリマインドメールを受け取ることで、忘れていた予約を思い出されるため、直前キャンセル・無断キャンセル(ノーショー)の防止や、予約者への気遣い・ホスピタリティといった効果があります。
くわしくはこちら:予約リマインドメール機能で無断キャンセルを防止【RESERVA機能紹介】
キャンセル待ち機能
予約が埋まっている予約枠がある場合、キャンセル待ちを設定できる機能です。予約が埋まっている枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちをしている予約者に対してメールかLINEで通知、予約受付まで自動で行えます。予約管理側・予約を希望する受診者の双方にとって、キャンセル待ちに関する対応の手間が大幅にカットできるというメリットが生じます。
くわしくはこちら:キャンセル待ち機能で機会損失を防ぐ【RESERVA機能紹介】
まとめ
本記事では、人間ドックの現状の課題や、医療DXのスタートラインとしての予約システムの導入による具体的なメリット、役立つ機能を紹介しました。医療DXを進めることで、医療従事者の負担軽減につながり、適切な人数で医療を進められます。DXを推進するにあたって課題を抱えている病院関係者は、ぜひ本記事を参考にしてください。
RESERVA mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。