電子カルテとは、これまで紙のカルテに記載されていた患者のさまざまな情報を、パソコンやタブレット端末を用いて入力し、電子データとして管理できるシステムです。電子カルテを導入することで、病院はさまざまな業務を効率化でき、患者にとっては待ち時間の短縮につながるなど、多くのメリットがあります。しかし、導入にはコストがかかったり、災害時には使えなくなる可能性があったりと、デメリットも存在します。
本記事では、電子カルテの概要や導入によるメリット、導入時の注意点などについてわかりやすく解説します。
電子カルテとは

電子カルテとは、これまで紙カルテに記載していた患者の基本情報や既往歴、診療内容などを、電子データとして保存したものを指します。パソコンやタブレット端末などからアクセスし、情報の記入や管理を一元的に行えるため、利便性が高いです。
近年ではさまざまな電子カルテが存在し、同じ診療科で異なる電子カルテを使用しているということも珍しくありません。日本では少子高齢化による労働力不足が深刻になっているため、医療業界をはじめあらゆる分野でDX化が求められており、電子カルテの導入は大きな役割を担っています。
電子カルテを導入するメリット
業務を効率化できる
電子カルテでは、患者に関する情報の検索・照会や、算定処理が瞬時にできます。そのため、紙カルテを探す手間を省くことや、算定ミスの防止が可能であり、医師をはじめ看護師や事務スタッフの業務を大幅に効率化します。
保管場所をとらない

電子カルテは、あらゆるデータが電子化されているため、紙カルテのように保管場所をとりません。カルテの所在が不明になる心配もなく、長期間にわたるデータ保管も可能で、長年の保管にともなう劣化を気にする必要もなくなります。
データの閲覧や検索、医療情報の共有がスムーズ
紙カルテの場合、院内の複数箇所でリアルタイムに情報を確認することは不可能です。一方、電子カルテでは、同時に複数の端末で情報を閲覧できるため、医師の指示から処方内容、検査結果の記録など、あらゆる患者情報を正確に素早く共有できます。
電子カルテを導入する際の注意点
導入・運用コストがかかる

電子カルテの導入にはコストがかかります。加えて、クラウド型かオンプレミス型かによってかかる費用も大きく変わるため、注意が必要です。ほかにも、システムを利用し続けるランニングコスト、故障や不具合が起こった際の修理費用などもかかるため、事前に費用の計算をしておくことが大切です。
停電時などには使えなくなる
電子カルテは電子機器のため、停電時には使用できなくなります。実際、過去の大災害時には電子カルテが使えず紙カルテに切り替えた、というケースもありました。停電などのトラブルに備えて、無停電電源装置(UPS)の導入や、データのバックアップ体制の構築、紙カルテでの対応が可能な体制を構築しておくなどの対策が必要となります。
操作の慣れが必要

紙カルテから電子カルテへ移行する際、操作方法や業務フローが大きく変わることや、電子カルテに多数の機能が搭載されていることから、使いこなすまでに時間がかかります。
電子カルテは、メーカーごとに操作方法が異なるため、パソコンが得意な医師・看護師・事務などのスタッフでも使いこなすまでに時間を要し、不慣れな状態で利用することで不用意なミスの発生や、情報漏洩につながる可能性があります。そのため、導入前に十分な研修を受け、操作方法を習熟しておくことが大切です。
セキュリティ対策が必要
電子カルテを導入する際は、セキュリティ対策が必須です。電子カルテへのウイルス感染や不正アクセスなど、さまざまなリスクから患者情報を守る必要があり、セキュリティ対策を自院で責任を持って行う必要があります。
ほかにも、医師や看護師、事務スタッフに対してセキュリティやプライバシーに関する教育を行い、リテラシーを高めることも重要です。
実際の電子カルテの例
Medicom(メディコム)クラウドカルテ

Medicom クラウドカルテでは、クリニック向け、病院向け、歯科向けなど複数の形態に対応した電子カルテを提供しています。メディコムの電子カルテは、一般診療所向けシェアNO.1を誇り、見やすさ・使いやすさに定評があります。
CLIUS(クリアス)

CLIUSは、日本医師会標準レセプトの「ORCA」が一体となっており、予約・診察・院内フローまで一元化できるクラウド型電子カルテを提供しています。独自のアルゴリズムを用いた「AIオーダー推薦機能」を搭載し、300種類以上の検査・画像・システム連携実績があります。
医療DXを始めるならRESERVA

医療現場におけるさまざまな業務を効率化するにあたって、誰でも手軽に始められるのが予約システムの導入です。予約システムの機能は予約管理にとどまらず、予約者情報の管理と蓄積、スタッフやリソースの調整に至るまで自動化する機能を持ちます。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、クリニックや医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。
現在、多数の予約システムが存在しますが、効率的な病院運営を実現するためには、実際に導入事例もあるRESERVA mdがおすすめです。RESERVAは、35万社が利用、700以上の医療機関が導入したという実績がある国内トップシェアクラスの予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスをより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムが初導入となる病院やクリニック、薬局にもおすすめです。
まとめ
本記事では、電子カルテの概要や導入によるメリット、電子カルテ導入の前段階として業務効率化ができるおすすめの予約システムなどについて解説しました。
電子カルテには、数多くのメーカーや機能があるため、事前に求める機能やサポート体制の確認などを行っておくことが重要です。また、導入によるメリットとデメリットも比較したうえで、自院にとって最適な選択が必要となります。
本記事が、電子カルテ導入を検討している医療従事者の方の参考になれば幸いです。


