デジタル時代の到来とともに、医療現場は急速に変化しています。特に産婦人科領域においては、DX（デジタルトランスフォーメーション）化が診療の質や効率を大きく向上させます。DXについての理解を深めることで、産婦人科診療における有用な活用につなげられます。
本記事では、産婦人科における現状の課題と、その課題の解決に効果的な医療DXについて、成功事例をもとに解説します。
産婦人科における現状の課題
医療リソースの偏在
産婦人科の医療資源は地域ごとに不均等に分布しています。都市部では産婦人科医や専門クリニックによる高度な医療を受ける機会が豊富な一方、地方や山間部では妊娠や出産に関する基本的な医療サービスを受けることが難しい状況にあります。この不均衡は、特に妊婦の健康リスクを高める要因となり、早期の受診が必要なケースでも適切な医療を受けられない事態を招く可能性があります。
加えて、妊婦の高齢化やハイリスク妊産婦が増えており、より妊婦の状況に特化した診療が求められます。妊娠中の合併症や緊急時に迅速な医療を受けられないリスクが高まることから、これらの課題を解決するための医療DXの導入が求められています。
患者情報の管理と連携不足
産婦人科では、妊娠、出産、育児に関する膨大な情報が扱われますが、これらの情報が分散して管理されていると、患者の健康データが一元化されません。これにより、他の医療機関との情報共有が難しく、重複検査や診療の遅れが発生します。また、医療スタッフ間での情報共有もスムーズではなく、妊婦や患者への適切なケアが提供できないリスクが高まります。そのため、デジタルプラットフォームを活用し、情報をリアルタイムで共有できるシステムを構築することが不可欠です。
コミュニケーションの課題
産婦人科において、患者と医療従事者とのコミュニケーションは特に重要です。妊娠中や出産後の女性は、身体的だけでなく精神的にも不安定な状況にあり、十分なサポートが求められます。しかし、医療従事者の時間的制約や負担の増加により、患者との対話の時間が限られてしまうことが多いです。その結果、患者は不安を抱えたまま医療サービスを受けることになり、医療に対する信頼感を失う要因となります。特に、妊娠に関する情報提供やリスクに関する説明が不十分な場合、患者は誤解や不安を抱えることになります。
産婦人科で医療DXを推進するメリット
患者情報の一元管理とアクセス向上
医療DXを導入することで、患者情報がデジタルで一元管理され、医療機関間での情報共有が格段に向上します。患者の過去の診療履歴や検査結果を迅速に確認できるようになれば、診断や治療の質を向上させることができ、医療従事者がより的確な判断を下せるようになります。また、患者にとっても、自身の健康情報にアクセスできることで安心感を生み出し、健康管理に対する意識を高めることにつながります。
予約・受診プロセスの効率化
産婦人科の予約をシステム化すると、患者の予約や受診プロセスが効率化します。患者は自宅に居ながら予約ができ、待ち時間を大幅に短縮できます。これにより、医療機関側も予約にかかる手間を省くことができ、より多くの患者を受け入れる余裕が生まれます。また、予約システムにはリマインド機能がついていることが多く、患者が受診を忘れることを防ぐ手助けにもなります。これにより、診療の流れがスムーズになり、医療従事者はより多くの時間を患者との対話や診療に充てることができ、結果的に医療の質が向上します。
テレメディシンによるアクセスの向上
テレメディシンは「遠隔医療監視」とも言われ、医療DXの一環として注目されています。具体的には、患者に医療サービスを提供するための通信技術の使用を指し、医療専門家による患者の遠隔診断、相談、治療、監視が含まれます。テレメディシンが発達することで、遠隔地に住む患者や移動が困難な妊婦でも専門医とのオンライン診療が可能になります。特にパンデミックの影響で、対面診療が難しい状況でもテレメディシンは重要な役割を果たしました。患者にとっても、自宅での診療が可能になることで、身体的な負担が軽減されるだけでなく、心理的な安心感も得られます。
産婦人科の診療・産後ケアにおける医療DXの推進事例
ラソワレディースクリニック赤坂
東京都港区にあるラソワレディースクリニック赤坂は、「柔らかく包み込む」ことをコンセプトにした、女性の「こころ」と「からだ」をサポートする完全予約制のクリニックです。リラックスした雰囲気の中、プライベートな空間を守りながら女性の悩みに寄り添った診療を行っています。
予約メニューにはピルの処方や保険診療、検査結果の確認などがあり、予約者は希望の診療内容を迷わず選択できます。
選択後の画面には予約メニューの詳しい説明が記載されており、予約受付開始と締切が設定されています。当クリニックは、1ヶ月前の0時から予約を開始し、初診であっても利用日時の15分前まで予約を受け付けています。予約受付開始と締切を明記しておくことで、クリニック側は予約管理を自動化でき、予約者にとっては急な予約が必要になった場合でも空き状況を見て対応することができるため、双方にとってメリットがあります。
愛育産後ケア子育てステーション リトリートテラス
参考：愛育産後ケア子育てステーション リトリートテラス公式サイト
東京都港区にある愛育産後ケア子育てステーションリトリートテラスは、産後の身体を休めながら新生児との生活に慣れていく宿泊型の産後ケア施設です。当施設では、産後4ヵ月までの母子を対象としたショートステイのほか、専門家による子育て講座やクラスなどが用意されており、「ゆっくり休みたい」「育児の練習をしたい」などの希望を叶えるオーダーメイドのサポートを受けられます。
ショートステイの予約サイトは、さまざまなタイプの個室を選べるようになっています。希望の日時が決まっていない場合でも、希望する部屋を選択して空き状況を確認できます。
希望の個室タイプと日時を選択すると、アンケート記入画面に遷移します。アンケートには氏名や住所、チェックイン時間のほか、出産施設、既往症、アレルギーの有無、新生児に関する情報などを記入するようになっています。このように必要事項を予約時にアンケートとして回答してもらうことで、事前の問診票として活用できます。その結果、施設側が予約者の情報を事前に把握でき、きめ細かい産後ケアの提供につながります。
産婦人科における医療DXにはRESERVA
医療機関がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、来院や面会の予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらにスタッフやリソースの調整に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、来院者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、医療機関が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、28万社が導入、700以上の医療機関も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる病院、クリニックにもおすすめです。
まとめ
本記事では、産婦人科における現状の課題と、その課題の解決に効果的な医療DXについて、成功事例をもとに解説しました。医療DXは、あらゆる場面において、効率化や質の向上を促進する有用な取り組みです。
RESERVA.mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。
