病院経営におけるDXの革新｜経費節減と効率的な医療提供の実現

厚生労働省は「将来推計人口（令和5年推計）」を発表し、2070年には高齢化率が約38％の水準になると予測しています。人生100年時代が到来し、ますます高齢化が進む昨今において、介護や医療を必要とする人の増加が見込まれます。その事態に対応するためには、病院経営におけるデジタル化や効率化は急務の課題です。診察以外にも、患者の受付、診察の予約、カルテの保管など、病院の職員は多くの業務に取り組む必要があります。しかし、人手不足により、満足のいく運営ができている病院はそう多くはありません。

本記事では、病院経営における現状の課題を解説します。また、病院経営においてデジタル化を進めることによるメリットを、具体的な事例とともに紹介します。

病院経営の現状

長い待ち時間

厚生労働省が行った令和5(2023)年受療行動調査では、病院に訪問する際の「予約の状況」の調査が行われました。調査結果をみると、全体の79.0％の患者が病院を訪問する際に予約をしています。このことから、病院に訪問する際に多くの患者が事前に予約をしていることがわかります。

しかしながら、予約が一般的になっている一方で、どの病院でも待ち時間が発生していることが明らかになりました。厚生労働省が上記の「予約の状況」の調査とともに行った「診察等までの待ち時間」の調査結果によると、どの規模の病院でも待ち時間が発生しています。さらに、少数ではありますが、2時間以上待ったと答えた患者もいます。予約をしているにもかかわらず待ち時間が発生しているという状況は、診察を急ぐ患者の満足度低下に繋がる恐れがあります。

紙媒体による患者の情報管理

厚生労働省が発表した「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によると、令和2（2020）年の時点で病床数が400床以上の大規模な病院では91.2％が電子カルテシステムを導入しているものの、200床未満の小規模な病院では導入率が48.8％と、病院の規模によってかなり差があることがわかりました。

年々電子カルテシステムの導入率は高まっているものの、一定の小規模な病院では紙媒体で患者情報が管理されていることが推測されます。紙媒体で管理する場合、紙がかさばりスペースがとられるのみならず、患者情報が散逸しやすくなるという懸念があります。

診察券の多さ

病院は新規の患者を受け入れる際、診察券を発行する必要があります。しかし、膨大な患者の診察券を発行するとなると、診察券を作成するための費用がかかります。また、患者もあらゆる医療機関を受診するため、新しい病院に診察に行くたびに診察券をつくることになります。診察券はかさばるだけでなく、紛失してしまう危険性もあります。このように、紙の診察券は病院と患者側の双方にとってあらゆるデメリットをもたらします。

予約システム導入のメリット

待ち時間の短縮

医療機関で長時間待ったことがあるという人は少なくありません。そこで、予約システムを導入することで、患者はネット上でかんたんに予約ができるだけでなく、待ち時間の短縮が期待できます。一刻も早く診察してもらいたい患者にとって、予約システムにより安心して診察に向かうことができます。また、医療従事者にとっても患者情報や症状について事前に把握できるため、スムーズな診察が可能になります。

患者情報の管理を簡素化

医療機関では、膨大な数の患者情報を管理しなければなりません。しかし、いまだに患者情報が紙媒体で管理されている医療機関も少なくありません。そこで、予約システムで患者情報を管理することにより、省スペース化、ペーパーレス化だけでなく、セキュリティ対策にも役立ちます。

効率的な受診・診察

キャンセル機能が搭載された予約システムの導入により、患者はいつでもシステム上でキャンセル操作を行うことができます。そのため、診察を受けたい患者が効率的に受診することができ、病院側も一人でも多くの患者に医療を提供できます。

医療機関によるデジタル化の事例

RESERVA予約システム｜市立旭川病院

市立旭川病院では、面会予約を簡素化するために予約システム「RESERVA」を導入しています。6つの病棟ごとに予約フォームが設定されており、面会希望者は面会したい患者の病棟を指定して予約を申請できます。

予約システムを導入することで、病院側が面会希望者の対応に追われなくなるだけでなく、面会者は予約の日時に必ず面会をすることができます。このように、予約システムの導入により、病院側の業務効率化のみならず、面会者のスムーズな面会にもつながります。

HOPE LifeMark-看護配置マネジメントサービス ｜岐阜市民病院

岐阜市民病院は、富士通株式会社が提供する「HOPE LifeMark-看護配置マネジメントサービス」を導入しました。このサービスは、病院で使われる電子カルテなどのシステムに蓄積されたデータをAIが分析することで、看護師の業務量や忙しさを可視化することができます。このサービスの導入により、無駄のない看護配置や働き方改革の実現が期待できます。

岐阜市民病院では、医療従事者からの人手不足や忙しさに関する不満の声が後を絶ちませんでした。また、広大な病棟ごとの業務量をタイムリーに可視化できないことも課題でした。そこで「HOPE LifeMark-看護配置マネジメントサービス」を導入したところ、手作業で行っていた病棟ごとの情報を瞬時に把握できるようになっただけでなく、各病棟の業務量や忙しさ状況をリアルタイムで可視化できるようになったため、看護師の業務負担軽減を実現することができました。

予約システムRESERVAにより、病院経営の最適化を実現

医療機関がDXを推進するにあたって、誰でも手軽に始められるのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から患者情報の管理、さらにスタッフやリソースの調整や集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、来院者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。

現在多数の予約システムがありますが、医療機関が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、30万社が導入、700以上の医療機関も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる病院、クリニックにもおすすめです。

まとめ

今回は医療機関に予約システムを導入するメリットを紹介しました。予約システムの導入は、病院側の業務効率化や働き方改革が期待できるだけでなく、待ち時間の減少による患者の満足度向上などにもつながります。

医療従事者の人手不足が問題となる昨今において、予約システムの導入を検討している病院経営者は、本記事を参考にしてみてください。