健康診断においては、個人情報管理や健診運営の人材不足、受診率の向上といった課題があり、これらを解決するために、DXの推進が注目されています。DXの導入により、訪問件数の増加やスタッフの負担軽減、ケアの質向上が期待されるだけでなく、効率的な予約システムの活用で個人情報データの一元管理やスケジュールの透明化が実現可能です。
本記事では、健康診断におけるDXの利点と予約システムの導入による効果を詳しく解説します。
健康診断の現状の課題
健康診断の運営において、自治体や企業、病院はさまざまな課題に直面しています。まず、個人情報管理が大きな課題です。健康診断で収集される個人の健康データは高度なプライバシー情報に該当し、適切な管理が求められます。また、受診者のスケジュール調整や予約システムの最適化も必要で、受診時の待ち時間の短縮が求められます。さらに、コストについては、特に検査機器や人件費の増加が経営を圧迫しています。人材不足も大きな問題であり、医療スタッフの不足は診断精度や業務の円滑な進行に支障をきたします。結果通知の迅速化や受診率の向上も喫緊の課題です。
参考:厚生労働省「個人情報の保護に関するガイドライン」
参考:厚生労働科学研究費補助金分担研究報告書「健康診断制度の現状と課題」
課題解決に効果的な医療DXとは

これらの課題解決に役立つのが、医療DXです。これは、保健・医療・介護に関わる情報やデータを一元的な基盤を通じて標準化・共通化し、関係者の業務効率化と国民の健康向上を図る取り組みです。具体的には、疾病予防、受診、診療、薬剤処方、診断書作成などの各段階においてデータを連携し、より質の高い医療サービスの提供を目指します。医療DXの目的は、国民の健康寿命を延ばし、社会保障制度を持続可能にすることです。そのため、全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテの標準化、診療報酬改定のデジタル化を三本柱に据えた取り組みが進行中です。こうした改革は、超高齢社会に対応し、医療機関の効率化や医療データの二次利用を促進し、将来の医療の質向上に貢献すると期待されています。
医療DXは、サービスの効率化や質の向上により、以下の5点の実現を目指しています。
1.国民の更なる健康増進
2.切れ目なく、より質の高い医療等の効率的な提供
3.医療機関等の業務効率化
4.システム人材等の有効活用
5.医療情報の二次利用の環境整備
これらの実現に向け、日本では「医療DXの推進に関する工程表」にもとづき、①全国医療情報プラットフォームの創設、②電子カルテ情報の標準化等、③診療報酬改定DXを3本の柱とし、取り組みを進めています。
参考:厚生労働省「医療DXについて」

健康診断で医療DXを推進するメリット
ここでは、健康診断における医療DXのメリットを見ていきます。
効率化による受診率向上
厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2022年)によると、20歳以上で過去1年間に健診や人間ドックを受けた人のうち、「胃がん」「肺がん」「大腸がん」検診の受診率を性別で見ると、男女ともに「肺がん検診」が最も高く、男性で53.2%、女性で46.4%でした。また、過去2年間で「胃がん検診」を受診した割合は、男性が53.7%、女性が43.5%となっており、「子宮がん(子宮頸がん)検診」は43.6%、「乳がん検診」は47.4%でした。
このような受診率の低さの一因は、健康診断の重要性が実感しづらいことや、受診を手間に感じることが挙げられます。しかし、健康診断は不調の兆候を早期に発見するものであり、症状が出てからでは遅い場合も多くあります。そこで、デジタル技術を活用して健診の利便性を高め、受診のハードルを下げることが重要です。健診予約サイトを予約システムで構築することで、受診勧奨メールの配信も簡便化でき、受診率の向上が期待されます。
情報の一元管理
健康診断では、多くの顧客情報を扱うため、デジタル化を進めることで、オンラインでの一元管理が可能になります。これにより、健診管理業務の負担が軽減され、効率化が図れます。さらに、医療DXを推進する中で導入するシステムによっては、顧客情報をCSV形式で出力できる機能を備えているものもあり、最終的には各医療機関の管理方法に合わせて柔軟に進められます。
管理データの蓄積と分析
デジタル技術を使うことで、紙の問診票削減だけでなく、患者情報の蓄積、分析をかんたんに行えます。例えば、問診表で、睡眠時間や食生活など、生活習慣に関する質問を設けると、それらのデータをデジタル上で管理できます。全国平均データと比較し、受診者の課題を浮き彫りにすることも可能です。厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」のデータと比較すれば、喫煙率や飲酒率、休暇の取得率と健康状態の関係性を分析できます。全国平均に対して相対的に悪い数値があれば、健康診断で積極的に対応すべき課題として把握でき、健康指導の施策につなげられます。
健康診断の医療DX推進には予約システムRESERVA

健康診断において医療DXを進める際に、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムは、予防接種の予約管理にとどまらず、決済から顧客管理までの一連の流れを自動化する機能を持ちます。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、接種者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、医療機関が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、30万社が導入、700以上の医療機関も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる病院、クリニックにもおすすめです。さらにRESERVAは、ISMS認証(ISO 27001)、ISMSクラウドセキュリティ認証(ISO 27017)を取得しており、不正アクセス対策やデータの保護・暗号化の実施もされているため、安全にデータを管理することができます。
くわしくはこちら:RESERVA「セキュリティについて」
ここからは、RESERVAの機能の中でも健康診断におすすめの機能を5つ紹介します。

残席数表示機能
残席数表示機能とは、予約の空き状況をわかりやすくアイコンや残席数で表示する機能です。予約枠が空いている場合は○、満席の場合は✕で表し、残席数が一定以下になった際には△を表示して、残りの空き枠が少ないことを伝えます。また、残席数が少ないときのみ数字で表示も可能です。これにより、予約の可・不可だけでなく空き状況が一目で確認でき、健康診断の空き枠に関する問い合わせ対応の手間軽減や予約促進効果も期待できます。
残席数表示機能について くわしくはこちら:残席数表示機能で予約申込を促進しよう!【RESERVA機能紹介】
予約時のアンケートカスタマイズ機能
予約時に事前アンケートを設置することで、予約者の傾向や要望を把握し、きめ細かなサービス提供が可能になります。アンケートはラジオボタンや自由記述など、多様な形式でカスタマイズできます。健康診断の問診表としても活用できるため、当日記入する手間を省くことも可能です。さらに、回答はデータで管理され、スタッフ間での情報共有もかんたんです。生活の意識調査と健康診断の結果を比較して、後の健康診断の指標を作ることにも寄与します。
予約時アンケート機能について くわしくはこちら:予約サイトの閲覧を限定できる!閲覧制限機能(パスワード機能)【RESERVA機能紹介】
サービス型オプション機能
サービス型オプション機能は、オプション機能の1種で、オプションごとに所要時間や金額を柔軟に設定できる便利な機能です。例えば、健康診断の予約において、追加の検査項目を希望する場合でも、メニューをあらかじめ分ける必要がなく、オプション選択ごとに必要な時間や料金が自動的に加算されます。この機能により、所要時間や料金が一目で確認でき、運営効率が向上します。さらに、追加オプションの内容や時間は管理画面で事前に把握できるため、検査に必要な備品やスタッフの準備が容易になり、スムーズな対応が可能になります。
サービス型オプションについて くわしくはこちら:オプションメニューに所要時間を設定し、予約枠に自動で反映させよう!【RESERVA機能紹介】
会員機能
会員機能は、独自の会員として予約を受け付ける機能です。診察券番号でのログインを可能にし、会員番号を入力することで、予約のたびに個人情報を入力する手間を省けます。企業の健康診断の場合、会員番号を社員番号で登録しておけば、従業員の健康診断履歴の管理や確認がかんたんにできるため、予約や受付が効率化され、企業側の運営負担も軽減されます。従業員のスムーズな予約と管理の向上により、企業健康診断がより効率的に行えます。
会員機能について くわしくはこちら:会員番号で情報を管理し、会員限定メニューを作成しよう!【RESERVA機能紹介】
閲覧・予約制限機能
限定した人だけに予約サイトの閲覧を許可する機能です。社内の健康診断の場合、合言葉を設定し、社内で共有することによって、社外の人から予約が入るのを防げます。パスワードはメニュー一つひとつにかけることもできるため、事業所ごとに予約サイトを作成せず、1つの予約サイトで全社員の健診管理が可能です。
閲覧・予約制限機能について くわしくはこちら:予約サイトの閲覧を限定できる!閲覧制限機能(パスワード機能)【RESERVA機能紹介】
健康診断におけるRESERVA導入事例
あま市民病院

参考:あま市民病院「健康診断WEB予約の開始について」
予約サイト:https://reserva.be/amahosp
あま市民病院は、愛知県あま市に位置する医療機関です。市民の健康と福祉を支えるため、一般診療から高度な医療まで幅広いサービスを提供しています。病院には救急医療やリハビリテーションセンターがあり、地域の救急医療対応や早期回復支援にも力を入れています。また、当院は最新の医療機器を備えた検査設備を有しているため、精度の高い検査・診断が行える点が大きな特徴です。健康管理を重視しており、各種健康診断にも対応しているため、定期的な健康チェックや予防医療の実施を通じて、住民の健康増進にも貢献しています。

そんな当院では、健康診断を行っており、その予約を予約システムRESERVAにて受け付けています。予約システムは、24時間いつでも予約が可能で、空き枠をリアルタイムで確認できるため、スムーズかつかんたんな手続きを可能にします。
当院の予約サイトでは、予約時アンケート機能を使って問診を行っています。アンケートは、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンテキスト入力(単語・文章)、数値入力、ファイル提出が可能なため、聞きたい項目に合わせて病院側でカスタマイズできます。アンケートによる事前問診は、来院後の手間を減らし、院内の混雑を緩和します。
奏の杜クリニック 海浜幕張

奏の杜クリニック海浜幕張は、JR海浜幕張駅北口から1分の健康診断・⼈間ドック専⾨のクリニックです。AIを駆使した高精細CT・内視鏡カメラを導入しており、最先端の検査機器で確かな健診・人間ドックを実現します。医療法人社団保健会が運営しているため、近隣エリアにある同グループの病院やクリニックにて再検査や精密検査もサポートしています。健康診断や人間ドックのコースが豊富なため、予算や調べたい項目を踏まえ、自分に合ったものを選択可能です。

当院は健康診断をRESERVAによるインターネット予約で受け付けています。受け付けている健康診断、人間ドックには豊富なオプション検査が設けられていて、年齢や気になる生活習慣・疾病に応じて、検査を受けることができます。オプションは、一つひとつ値段が異なっており、追加する分をRESERVA上で基本料金に上乗せして会計します。そのため、豊富なオプションにより会計の手間を増やすことがありません。患者側としても、一度にまとめて予約を取ることができるため、利便性が高くなります。
厚生中央病院

厚生中央病院は、東京都目黒区に位置する総合病院です。当院には、健康管理センター最高水準の医療ケアと予防医療を提供する専門機関があり、高度な設備と経験豊かな医療専門家に支えられ、包括的な健康管理プログラムを提供しています。基本の健康診断に加え、さらに詳細な健康状態を把握できるオプション検査もあるため、個々の健康リスクや懸念に合わせた検査を選択し、健康管理をより一層強化できます。

当院では、一日ドック+胃カメラ(男・女)、一日ドック+胃バリウム、レディースドック、レディースがん検診、シニア検診(男・女)など豊富なメニューの予約を1つの予約サイトにて受け付けています。そのため、予約サイトでは、特定のメニューに限定して予約枠を絞り込めるようになっており、かんたんに自分に合わせたメニューのみを抽出することができます。また、メニューごとに色分けがされているため、かんたんにいつ予約が空いているのかを見つけられます。このようにわかりやすい予約システムを導入していることで、誤った予約を防げます。
市立旭川病院

参考:市立旭川病院
予約サイト:https://reserva.be/ach243181
市立旭川病院は、1930年に開設された北海道旭川市の総合病院です。「経済的な事情に関わらず、すべての市民が最先端の医療を受けられる医療機関の設立」という目的で建てられました。この志は、現在も職員に受け継がれ、「患者中心の医療を行い、市民から信頼される病院を目指す」を基本理念とし、道北の基幹病院として、安全で質の高い医療の提供に努めています。

当院では、健診の予約をRESERVAシステムで受け付けており、トップページのメニューには健診予約の案内が表示されています。また、予約サイトのお知らせ機能を活用し、健診予約に関する注意事項を周知しています。トップ画面には最新のお知らせが3件表示されるため、患者は重要な情報をすぐに確認することができます。

さらに、個人情報カスタマイズ機能を利用して、紙の問診票を削減しています。この機能は予約時のアンケートとは異なり、会員登録済みの患者には一度のみ情報を入力してもらうため、診療カード番号や保険者番号などの変更のない情報を効率よく管理できます。カスタマイズ機能で入力された情報は予約管理画面で確認でき、患者情報の一元化に役立っています。
まとめ
本記事では、予約システムの導入によって、医療DXが進められている健康診断の具体的な事例や役立つ機能を紹介しました。医療DXを進めることで、病院の負担軽減につながり、適切な人数で健診を進められます。DXを推進するにあたって課題を抱えている病院関係者は、ぜひ本記事を参考にしてください。
RESERVA mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。