患者中心の医療DX|人々の健康を支えるテクノロジー

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、医療分野にも新たな変革をもたらしています。DXは、病院の内部運営や医療従事者のサポート、効率向上にとどまらず、患者にとっても大きなメリットがあります。この記事では、医療DXに関する基礎知識や医療DXが推進される理由を、そのメリットとともに紐解いていきます。そして、ICT(情報通信技術)、AI(人工知能)などの最新技術がどのようにして患者フレンドリーな医療を実現し、新しい医療の形を作り出しているのか、医療機関や企業の具体的な成功事例とともに紹介します。

医療DXとは

医療DXとは、保健・医療・介護の各段階で発生する情報やデータを、クラウドなどの基盤を通じて最適化し、業務やシステムの外部化・共通化を進めることで、国民の予防促進や質の高い医療・ケアを提供できるようにする取り組みです。日本が直面する超高齢社会において、健康寿命を延ばし、持続的な社会保障制度を設計することが、将来世代が安心して暮らせる社会を築くために喫緊の課題となっています。

厚生労働省は、医療DXによるサービスの効率化や質の向上を通じて、以下の5点の実現を目指しています。

  1. 国民の更なる健康増進
  2. 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
  3. 医療機関等の業務効率化
  4. システム人材等の有効活用
  5. 医療情報の二次利用の環境整備

参考:厚生労働省「医療DXについて」

医療DXを推進するメリット

患者の自己管理能力の強化

医療DXは、患者の自己管理能力向上に大きく貢献します。特に、健康管理アプリなどの普及により、患者は毎日の体重、食事、運動量、睡眠時間などをかんたんに記録できるため、健康状態を視覚的に把握しやすくなります。さらに、目標設定やリマインダー機能により、健康的な習慣を継続しやすくなり、生活習慣病の予防や体調管理に役立ちます。データを蓄積し、過去の傾向を確認することで、より自分に合った健康管理ができます。また、診療時に詳細な健康状態を共有でき、医師との連携もスムーズに行えるため、より適切な治療が受けられます。こうした自己管理のしやすさは、生活習慣病の予防や病状悪化の抑制につながり、患者のQOL(生活の質)向上に寄与しています。

医療サービスへのアクセス向上

医療DXの進展により、患者の医療サービスへのアクセスも飛躍的に向上しています。特に遠隔診療やオンライン予約システムの導入は、通院が困難な患者にとって大きな利便性をもたらしています。これまでは交通手段や地理的な制約により、医療機関へのアクセスが限られていた患者でも、自宅から医師の診察を受けることが可能になりました。慢性疾患の管理や定期的なフォローアップが必要な患者にとって、遠隔診療は時間的・経済的な負担を軽減し、医療の質を維持しながらも手軽にアクセスできる環境を提供します。

待ち時間の短縮

診察予約に予約システムを導入すると、患者は事前にオンラインで診察時間を予約できるため、診察のスケジュールを事前に調整でき、診療時間を効率よく管理できます。これにより、病院での待ち時間が大幅に短縮され、長時間待機するストレスが軽減されます。また、診療状況や待ち時間のリアルタイム表示が可能となり、患者は自宅や外出先で診察の進行状況を確認しながら時間を調整できます。これにより、病院内で待つ必要がなくなるため、待ち時間を有効活用することができます。

医療DXにおける技術革新

チャットボットによる健康相談

チャットボットによる健康相談は、患者に多くのメリットをもたらします。24時間いつでも健康に関する悩みを気軽に相談できることで、診療時間外や夜間でも、症状や体調の不安をすぐに解消でき、安心感を得られます。また、軽度の症状や急を要しない質問に対しても、すぐに対応が可能なため、医療機関に行く前に必要なアドバイスを得られ、無駄な来院を避けられます。

さらに、日常的な健康管理や予防的なアドバイスを受けることで、病気の早期発見や悪化防止にもつながります。患者側にとっては、時間や場所に制約されず、手軽に医療情報にアクセスできるため、医療体験の向上に寄与する重要なツールとなっています。

ウェアラブルデバイスによる健康モニタリング

ウェアラブルデバイスの進化により、患者は日常的に健康状態をリアルタイムでモニタリングできるようになりました。血圧や心拍数、血糖値などをリアルタイムでモニタリングし、異常があればすぐに通知を受け取ることができます。これにより、体調の変化をいち早く察知でき、早めの対処が可能になります。こうしたデータを蓄積することで、万が一の場合に、適切な治療を受けるための診断材料になり、病気の予防に役立てられます。

薬配達の自動化

オンラインで処方箋を受け取った後、自宅にいながら薬を受け取れる自動配達システムが普及し始めており、特に慢性疾患を抱える患者や高齢者、そして忙しい日々を送る人々にとって大きな助けとなっています。このシステムにより、通院の必要がなくなるため、移動や待ち時間といった負担が軽減されます。また、薬の定期管理も簡便になり、服薬を忘れるリスクも低減します。薬配達の自動化は、患者にとって、生活の質を向上させ、安心して治療を続けられる環境を提供しています。

医療機関・企業における医療DX事例

予約サイトの多言語表示で外国人観光客に対応|千駄ヶ谷インターナショナルクリニック

千駄ヶ谷インターナショナルクリニックは、千駄ヶ谷駅から徒歩3分の場所に位置し、一般内科診療の他に旅行外来(トラベルクリニック)、外国人診療を行っています。そんな当院では、業務効率化の一環として、来院予約には予約システム「RESERVA」を導入しています。RESERVAに導入されている多言語設定機能は、日本語の他に、英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語、タイ語に対応しています。日本語がわからない海外客向けの予約サイトを作成できるため、外国人観光客や外国人居住者の予約受付が可能になります。

リハビリテーションロボット「ウェルウォーク WW-1000」|藤田医科大学×トヨタ自動車株式会社

藤田医科大学医学部とトヨタ自動車株式会社は、脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」を共同開発しました。このリハビリテーションロボットは、運動学習理論に基づき、患者に合わせた難易度調整や歩行状態のフィードバック機能を提供しており、個々の患者に最適なリハビリプランを実現します。また、機器の使用がシンプルで、臨床現場での使いやすさも追求されています。

参考:藤田医科大学「藤田とTOYOTAが共同開発したリハビリロボがロボット大賞を受賞」

医療業界に特化した決済サービス|株式会社りそなホールディングス×株式会社デジタルガレージ

株式会社りそなホールディングスと株式会社デジタルガレージは、医療業界向けの決済サービスを共同で企画・開発し、2024年度の提供を目指しています。このサービスは、診察後の窓口での会計手続きを省略し、患者がすぐに帰宅できる非対面決済を導入することで、待ち時間を削減します。また、診療報酬算定業務を患者が帰宅後に行うことで、医療機関の業務効率化と患者体験の向上を図ります。

参考: 株式会社りそなホールディングス「診察後すぐに帰宅できる医療業界に特化した決済サービスの共同企画開発について」

PHR(パーソナルヘルスレコード)アプリ「NOBORI」|三重大学医学部附属病院

画像引用元:三重大学医学部附属病院『三重大学病院の「医療DX」』

見え大学医学部付属病院が導入しているPHR(パーソナルヘルスレコード)アプリ「NOBORI」は、患者が自分のスマートフォンで医療情報を管理できるPHRアプリです。電子カルテと連携し、検査結果や処方薬、通院予定を確認できるほか、健康データや医療費も一括管理できます。また、家族や他の医療機関と情報共有が可能で、診療時の効率向上にも寄与します。さらに、医療費の後払い機能も搭載されており、診察後に窓口で待たずに帰宅できる利便性が特徴です。

参考:三重大学医学部附属病院『三重大学病院の「医療DX」』

医療DXにはRESERVA

画像引用元:RESERVA.md公式サイト

医療機関がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。 予約システムは、来院や面会の予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらにスタッフやリソースの調整に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、来院者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されています。

現在多数の予約システムがありますが、医療機関が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、28万社が導入、700以上の医療機関も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、医療機関の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる病院、クリニックにもおすすめです。

まとめ

本記事では、医療DXのとAIによる医療従事者不足の解消の方法について詳しく触れてきました。医療DXを進めることで、医療従事者の負担軽減につながり、適切な人数で医療を進め、患者の安全が保障される病院づくりを実現します。DXを推進するにあたって課題を抱えている医療機関の関係者は、ぜひ本記事を参考にしてください。

RESERVA.mdでは、今後も医療DXに関する知見や事例を取り上げていきます。

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