医療機関は、患者に質の高い医療サービスを提供するために、診療の予約や管理を効率的に行う必要があります。厚生労働省の「令和4年（2022年）医療施設（動態）調査・病院報告の概況」（2023年）によれば、日本の医療施設や病床数には地域差があるため、地域ごとの医療従事者の適切な配置による効率的な運営方法が求められています。
予約の流れや医師・看護師などの医療従事者の配置、患者の多様なニーズに合わせた個別対応など、運営には多くの課題が伴います。これらの課題を解決するためには、効率的な予約管理が重要です。予約システムの導入により、診療の予約をスムーズに行い、患者満足度の向上や、きめ細かいサービス提供が可能になります。
本記事では、医療機関の運営における課題と、その解決に向けた予約システム導入のメリット、そして実際に導入している事例について解説します。
医療機関における課題
患者数の増加と予約管理の複雑化
医療機関では、患者数の増加に伴い、予約管理が複雑化しています。特に、高齢者の増加が顕著であり、総務省の「統計からみた我が国の高齢者」（2024年）によると、2023年には65歳以上の人口が3622万7000人で、前年より約9000人減少していますが、総人口に占める割合は増え、29.1％に達しています。このような状況下で、医療機関は高齢者の増加により、患者数の増加が懸念されています。
さらに、複数の診療科や医師を抱える場合、予約の調整が難しくなり、患者の院内での待ち時間が長くなります。特に高齢者の増加により、医療機関の負担が増しているため、予約管理の複雑化が一層進むことが予想されます。これにより、患者が適切な診療を受けるための予約取得が困難になることが懸念されています。
患者の多様化とサービスのパーソナライズの必要性
現代社会では、患者が求めるニーズが非常に多様化しています。例えば、現代のような多文化社会では、国内で異なる言語を話す患者が増加傾向にあります。日本の病院では、英語や中国語を話す患者が増えており、医療スタッフが多言語対応を求められる場面が増えています。
また、高齢者の増加に伴い、認知症や慢性疾患を持つ患者がさらに増えていくと予想されています。厚生労働省が発表した「令和5年度老人保健事業推進費等補助金『認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究』」（2023年）によれば、認知症患者数は、2022年は約443万人で、2040年には、約584万人になると予想されています。これにより、医療機関は長期的なケアやリハビリテーションなど、個別のニーズに応じたサービスを提供する必要があります。そのうえ、遠隔医療や電子カルテの導入により、患者のデータを効率的に管理し、個別の治療計画を立てることが求められます。
予約システム導入のメリット
医療機関はさまざまな運営課題を抱えています。しかし、その多くが予約システムを導入することで解決可能です。ここでは、医療機関に予約システムを導入することのメリットを紹介します。
患者体験の向上
予約システムを導入することで、患者はオンラインでかんたんに予約を取ることができ、院内での待ち時間が短くなります。また、リマインダー機能を活用することで、顧客の予約の忘れを防ぐことが可能です。これにより、患者の満足度が向上し、リピーターの増加が期待できます。
スタッフ管理の効率化
予約システムにより、スタッフのスケジュール管理が一元化され、効率的に運営することができます。これにより、スタッフの負担が軽減され、質の高い医療サービスの提供が可能です。また、予約の重複やミスが減少し、業務の効率化が図れます。
データの一元管理と分析
予約システムを導入することで、患者の予約情報や診療履歴を一元管理できるようになります。これにより、データの分析が容易になり、患者のニーズやトレンドを把握しやすくなります。これを基に、サービスの改善や新しい施策の立案、予約枠の拡大などが可能です。
多言語対応と多様な支払い方法
予約システムは、多言語対応や多様な支払い方法に対応しているため、外国人患者や多様なニーズを持つ患者にも対応できます。多言語対応により、さまざまな言語圏の患者受け入れが可能になり、結果的に売上の向上に直結します。日本人だけでなく、外国人患者も受け入れることで、サービスへの信頼も向上します。また、予約システムを利用することで、オンライン上での支払いが可能になり、現地で日本円で支払うというハードルがなくなり、日本語が流暢でない外国人の受診も促進されます。
実際の予約システム導入事例
国立がん研究センター中央病院
参考サイト：国立がん研究センター中央病院
予約サイト：https://reserva.be/sdv_ncchchiken
国立がん研究センター中央病院は、1962年に東京都中央区築地に開設された病院です。がん診療と研究のリーディング・ホスピタルとして、特定機能病院、臨床研究中核病院、がんゲノム医療中核拠点病院などの認定を受けており、最先端のがん治療と研究を行っています。そんな当センターでは、症例SDV用の部屋予約を予約システムRESERVAで行っています。
SDV（Source Data Verification）とは、臨床試験のデータが正確で信頼性があることを確認するために、元となる資料を直接閲覧し、報告されたデータと照合することです。具体的には、医療機関のカルテやその他の記録を確認し、治験の報告や記録が正確であるかどうかを検証します。SDVは、製薬メーカーの担当者や治験審査委員会などが行い、データの信頼性を確保するために重要です。
予約サイトでは、オプション機能を用いて「紙カルテ」と「保守点検記録希望」の2つを、SDV用の部屋予約と一緒に受け付けています。部屋の受付と同時に行うことで、企業と病院の間にすれ違いが起きず、必要な書類を予約システム上で一元管理することができ、渡し忘れのミスを防ぐことが可能です。
伊勢原協同病院
参考サイト：伊勢原協同病院
予約サイト：https://reserva.be/iseharahprenkei
伊勢原協同病院は、神奈川県伊勢原市に位置する病院で、内科、外科、産婦人科、小児科など、多岐にわたる診療科目を提供しており、地域の健康を総合的にサポートしています。当院では、乳がんと子宮頸がんの健診を行っており、早期発見・早期治療に努めています。検診は、予約システムRESERVAにて受け付けいて、受診の10日前までに予約が必要です。
伊勢原協同病院の予約サイトは、顧客・会員項目欄をカスタマイズしています。この機能を利用することで、病院側が患者の名前、生年月日、住所、連絡先以外の個人情報も入手できるようになります。例えば、病院の診察券番号や既往歴など、今後変わらない情報について顧客情報に入力できるようにすることで、患者が受診のたびにアンケート欄に入力する手間を省けます。
ラソワレディースクリニック赤坂
参考サイト：ラソワレディースクリニック赤坂
予約サイト：https://reserva.be/samplesoiesoie
ラソワレディースクリニック赤坂は、東京都港区赤坂に位置する婦人科の病院です。クリニックは、予約システムRESERVAを使った完全予約制で、患者のプライバシーが確保され、リラックスできる環境づくりに力を入れています。時間外診療や他院で断られた難関症例にも対応しており、女性の強い味方となってくれる病院です。
予約システムでは、メニュー上部のお知らせ機能を活用し、キャンセルや変更、担当医、休診日など、特に顧客からのお問い合わせが多い要件について記載しています。RESERVAのお知らせ機能では、最新のものから3件がメニュー上部に表示されるため、予約サイトを訪れた患者に確実に認知してもらえます。
また、予約を進め個人情報を入力する下に、事前アンケートを設けています。事前アンケートでは、患者の流入経路を質問しており、流入経路を把握することで適切なプロモーションを展開可能です。また、特定の経路からの流入が多い場合は、その施策を強化し、低コストでより多くの新規患者を見込めます。
ベアAGAクリニック
参考サイト：ベアAGAクリニック
予約サイト：https://reserva.be/beaagaclinic
ベアAGAクリニックは、新宿三丁目駅から徒歩約1分、新宿駅から徒歩約7分の便利な場所にある男性型脱毛症（AGA）や女性型脱毛症（FAGA）を専門とした病院です。リーズナブルな価格で、高い効果を提供しています。発毛治療コース「BeaRise（ベアライズ）」をはじめとする多様な治療オプションを用意しており、患者一人ひとりが最適な治療を選択可能です。院長自らが診察を行うマンツーマン体制をとっており、治療途中で主治医が変更になる心配がありません。
当院の予約サイトは、メッセージアプリ「LINE」と連携しています。これにより、個人情報の入力が削減され、予約の変更やキャンセルも、LINE上でかんたんに行うことができ、予約の利便性が向上します。病院側としても、LINEで予約を進めるには、病院の公式LINEアカウントを友達追加する必要があるため、LINEの友達登録人数も増やせます。また、予約直前にはLINEでリマインドメッセージが送られることで、予約者の目に留まりやすくなります。
千駄ヶ谷インターナショナルクリニック
参考サイト：千駄ヶ谷インターナショナルクリニック
予約サイト：https://reserva.be/sendagaya_reservation/about
JR総武線千駄ヶ谷駅から徒歩3分の千駄ヶ谷インターナショナルクリニックは、外科、小児科、内科を含む幅広い診療科目を提供しています。特に旅行外来（トラベルクリニック）に力を入れており、海外渡航前の予防接種や医療相談を受け付けています。海外赴任や留学、旅行前に必要な予防接種や書類作成を行い、渡航先での健康リスクを最小限に抑えるサポートを受けることが可能です。病院内に英語を話せるバイリンガルスタッフが常駐しているだけでなく、予約サイトが英語に対応しているため、日本語が流暢でない外国人も安心して利用できる環境が整っています。
当院の予約サイトでは、予約枠ごとに残りの診療可能者数が表示されます。患者は予約の際に空き状況を一目で確認できるため、希望する日時に予約が取りやすくなり、無駄な時間の削減が可能です。さらに、残席数が表示されることで、患者からの空き状況に関する問い合わせが減り、病院のスタッフの負担も軽減されます。これにより、スタッフは予約以外の業務に時間を割けるため、仕事の効率化を図れます。
医療機関へおすすめの予約システムRESERVA
さまざまな予約システムのなかで、病院への導入事例が多数あるRESERVAがおすすめです。RESERVAは、28万社が導入、700以上の医療機関が導入した実績がある国内No.1の予約システムです。予約はもちろん、決済、顧客管理、さらには集客にいたるまで自動化が可能です。機能は100種類を超えており、医療従事者の業務をより効率的に進められます。初期費用無料で、サポート窓口の充実さ、ヘルプの利便性が高いことから、初めて予約システムを導入する医療機関にもおすすめです。
RESERVAは予約を受け付けるだけでなく、多岐にわたって業務の効率化を図ることが可能です。医療機関に最適なRESERVAの詳細は、こちらをご覧ください。
まとめ
今回は、医療機関に予約システムを導入するメリットを紹介しました。予約システムの導入は、医療機関における予約の手間を削減するだけでなく、課題の大部分を解決します。予約システムの導入は患者と従業員、双方の満足度の向上につながります。
病院の運営に携わっている方、予約システムの導入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
